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Dietguide:Tetsuya Kawaguchi

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更新日 2013-03-20 | 作成日 2007-11-18

『あるある』問題に学ぶ(上)

~ウソ含まれる娯楽番組~

(2007年1月25日琉球新報寄稿文より改変)

2007年1月の第2週、沖縄県内のスーパーでも納豆の品薄状態が続いた。1月7日に関西テレビ・フジテレビ系列で放送されたテレビ番組「発掘!あるある大辞典Ⅱ」の影響だと言われる。

番組は、納豆を朝晩2回食べるとやせるという内容であった。放送当日、私はこの番組を見ていない。その番組の2週間後の1月21日に放送される予定だった「ダイエットが続く人と続かない人の違い」というテーマの同番組に出演するため、家を空けていたからである。

私と「発掘!あるある大辞典」の付き合いは4年以上になる。彼らがダイエット関連の番組を制作する際、情報収集のために私に連絡をとることが度々あった。一番多かった質問は「○○と言っている先生を知りませんか?」という内容のものである。要は、決められた台本の中で、台本に書かれた内容に近い発言をしてくれる先生を探していたのである。

2007年1月7日放送の番組内容にウソがあったと報道されると、即座に数人の知人から電話があった。「あなたが出る番組は大丈夫(正しい)か?」という心配の電話である。その度に私は「いまだにあなたは健康情報バラエティー(番組)が真実を伝えていると思っているのか?」と逆に諭す羽目になる。

先月(2006年12月7日)の本紙(琉球新報)夕刊で私が執筆したコラム「沖縄でやせる」のサブタイトルは「やせる情報の信ぴょう性」、タイトルは「8割はウソ(娯楽)」である。

(参考:沖縄でやせる~やせる情報の信ぴょう性~へ)

その中で、テレビ番組のダイエット企画には、真実を伝える意思が初めからないものが多々ある旨はお知らせしたつもりだ。また、これまでことあるごとに、娯楽番組(ウソが当然含まれる)と科学番組(ウソをつく気が少ない)の見分け方は説明してきたつもりである。

最も簡単な見分け方は、スタジオに科学的素養がある人(例えば現役の科学者)が一人もいない(司会者からゲストまですべて芸能人の)番組は、例外なく娯楽番組である。科学者はスポットで登場させ、ナレーションとスタジオトークで(ゆがんでいるが)面白い内容に仕上げるというのが娯楽番組制作の常とう手段である。

今回の騒動で、もはや同じ手法のテレビ番組が新たに作られることはしばらくはないであろう。ただし、今回「ダマされた!」と思った方々は、決して油断してはならない。「発掘あるある大辞典Ⅱ」の寿命が近々尽きることは、私たち制作に近い人間の間では半ば常識であった。そのため、既に次なる制作方法がスタートしている。次回はそのことと、消費者がこれらの情報にどう向き合えばいいのかをお話したい。

(ダイエットガイド河口哲也)



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